芸能人の離婚問題などでメディアでも取り上げられるようになった「モラハラ」。
知名度が上がってきていることもあり、近年は、単なる嫌がらせや繊細さに欠ける発言では済まされない問題となっています。
モラハラとは、モラル・ハラスメントの略称です。
言葉や態度による精神に対する暴力や嫌がらせのことで、90年代にフランスの精神科医によって提唱されました。
肉体に対する暴力とは違い、精神や感情に対して継続的に行われるいじめや嫌がらせ、そして、つきまとうなどの虐待行為のことです。
では、モラハラが続くと被害者はどうなってしまうのでしょうか?
モラハラは上述したように、「精神の殺人」ともいわれています。
これによって被害者の精神が時間をかけて徐々に壊されてしまうのです。
モラハラ行為はやがて相手の心身ともにダメージを与え、体調にも異変が現れてきます。
しかし、別れたいと思ってもなかなかうまくはいかないもの。
今日は、モラハラ彼氏と別れる方法についてお話します。
目次
別れ際のモラハラ彼氏の行動
では、実際に別れを切り出されたとき、モラハラ彼氏はどんな行動に出るのでしょうか。
うまく別れるためにも、あらかじめモラハラ彼氏の起こす行動についてはしっかり認識しておきましょう。
ストーカーまがいの行動を繰り返す
モラハラ彼氏は別れを切り出されると、逆上してストーカーまがいの行動を繰り返すようになる場合があります。
プライドが高いため、「別れたいのは、他に男がいるからかもしれない」という疑いを持つことも多く、彼女の一挙手一投足をとにかく監視しようとします。
なんとか別れさせないようにするため、LINEや電話で何度も脅迫めいた連絡をしてくることもあるでしょう。
ひどい時には、彼女が「やっぱり別れない」と言うまで家に監禁しようとするケースもあり得ます。
実際、何度も別れようとした結果、このようなモラハラ彼氏のストーカーまがいの行動に悩まされ、つい「別れない」と言ってしまった女性は多いはずです。
何時間も説教をする
モラハラをする男性は言葉巧みに相手の女性を支配しようとするため、人並み以上に頭の回転が速く、インテリな人も多いです。
だからこそ言いくるめられてしまう女性がたくさんいるのは事実です。
そのため、モラハラ彼氏は別れを切り出されると、何時間も彼女を説教しようとします。
「俺と別れたらお前みたいなクズは生きていけない」「今までの恩を忘れたのか。人でなし!」といった、ひどい発言で彼女を言いくるめ、別れられないように持っていくのです。
説教をしている間は、食事も取らせない、トイレにも行かせない、姿勢はずっと正座のままというまるで拷問のような状況を強いられる場合もあります。
そんなひどい状況の中で責められ続ければ、女性も精神的にも参ってしまい、「別れないからもうやめて」とつい口にしてしまうのです。
法的手段に訴えようとする
モラハラ彼氏の行動は非常に大げさです。
別れると言われただけで、「訴えてやる」「慰謝料を請求する」という極端な言葉を使ってきます。
「そんな大げさな・・」と思うかもしれませんが、実際このようなことを言われれば、多くの女性が恐怖を覚えてその後の別れ話を進めることができなくなってしまいます。
特に訴訟に関して知識が乏しければ、「慰謝料を請求されたら、自分の家族にまで迷惑がかかるかもしれない」「仕事が続けられなくなるかもしれない」と考えてしまう心理もあるでしょう。
そうなればなおさら怖くなり、結局別れられなくなってしまうのです。
モラハラ彼氏との正しい別れ方
モラハラ彼氏とうまく別れるためには、なるべく彼氏を必要以上に刺激しないこと、そして自分の身を守ることが大切です。
モラハラ彼氏は別れ際に、女性を引き留めようと大胆な行動を取る傾向があります。
そのことを強く認識したうえで、正しい別れ方をする必要があるのです。
別れを強く決心すること
モラハラ彼氏と別れるためには、まず、あなたが「絶対に彼と別れる」と強く決心しなければなりません。
いつも彼との別れを考えているのに別れられずズルズルと付き合い続けている、別れ話をしているのにしつこくすがりついてきて別れてくれない、モラハラは嫌だけどやっぱり彼が好きで離れられないなど、別れられない理由はいろいろあるでしょう。
別れのベストタイミングは、あなたが「自分の幸せ」を心の底から望み、本気で考えられるようになったときです。
今度こそはと強く決意しても、彼が優しくしてくれた時のことを思い出して、気持ちがぶれることがあるかもしれません。
しかし、モラハラは病気で、治ることはありません。
自分の状況を、本気で冷静になって考えてみてください。
あなたは大好きな彼氏から、罵倒され、お金を無心され、プライドを傷つけられている。
そんな状況、明らかに普通ではありません。
いくら優しい時があったとしても、そんなモラルを逸脱した行為は一度でもあってはいけないものです。
彼がどれだけ謝ってこようが、下手に出てこようが、泣きながら言い訳をしてこようが、「彼とは絶対に別れる」という気持ちがぶれてはいけません。
「自分の幸せのために別れる」と決心したのであれば、それを貫き通しましょう。
別れる準備はきちんとしてしておくこと
モラハラを行う人は、誰も幸せにすることはできません。
今の被害者はあなただけかもしれませんが、一緒にいれば近い将来、あなたの家族や子ども、友人が彼のモラルハラスメントの被害者になってしまうでしょう。
とはいえ、衝動的に別れる選択をしないほうが良い場合があります。
衝動的に行動した場合、モラハラ彼氏に付け入るすきを与えてしまう場合があり、逆に身動きがとりにくくなる可能性があるからです。
確実に別れることができるようにするには、準備や計画を練っておきましょう。
彼氏のモラハラ気質が発覚したら、確実に別れるための準備を少しずつ進めておいてください。
暴言は録音や録画、モノへの暴力は写真として証拠に残しましょう。
モラハラ彼氏に別れようとしていることを気付かれると、証拠隠滅のためにスマートフォンを破壊されたり、行動制限を厳しくされる恐れがあります。
何よりも、バレないように行動することが大切です。
逃げる準備を進める場合は、モラハラ彼氏と繋がりのある友人に相談したり、頻繁に連絡をとることが悪い結果を生むことがあります。
すでにモラハラ男性がその友人に対して自分の都合良い嘘を並べている可能性があるからです。
あなたがモラハラ彼氏と別れる相談をこっそりしたとしても、モラハラ彼氏に筒抜けかも知れません。
また、モラハラ男性と別れ話がこじれてしまうと、弁護士に依頼する必要が出たりなどでお金がかかることもありえます。
モラハラ男性にバレないように、万一の事を考えて安全な場所にお金を貯めておく必要も出てくるでしょう。
別れ話をする場所は家以外を選ぶこと
別れ話をする場所は、家だけは選ばないようにしてください。
第三者の目がないため、別れ話がこじれた時、トラブルにもつながりかねないからです。
必ず人目があって、落ち着いて話せる場所を選びましょう。
カフェやレストラン、人通りのある公園などを選べば、万が一、彼氏が怒鳴り散らしたとしても周りに助けを求めることができます。
そもそもモラハラ男性は外面はいいものなので、第三者の目線があればなかなか感情的にはなれないはずです。
第三者に同席してもらうこと
別れ話をする際に「彼氏にまた言いくるめられてしまいそうで怖い」「怒らせたらどう対処すれば良いかわからない」などの不安がある場合は、協力を頼める友人に同席してもらうのも一つの手です。
別れを切り出そうとしても、話すらまともに聞いてくれないモラハラ彼氏の場合、最終的には第三者を介入させるしかありません。
もちろん基本的には二人で話し合えるのが一番ですが、どうしても難しい場合は、できれば複数人の友人に同席を頼むのがおすすめです。
最終的に話をするのは自分自身ですが、友人に同席してもらったところで、すぐそばに自分と彼氏以外の人がいてくれるというだけで気持ちはかなり楽になります。
さらに、モラハラ彼氏は「外面だけが良い内弁慶タイプ」も多いため、彼女の友人のいる前ではなかなか怒れないものです。
別れ話がまとまった後は一切連絡に応じないこと
モラハラ彼氏と別れられない女性によくあるのが、別れてもすぐに復縁してしまうケース。
彼氏から「お前がいないとやっぱりダメなんだ」と言われて情にほだされたり、「復讐してやる」と脅されて恐怖を抱いたりなど、モラハラ彼氏と別れた直後にまた元に戻るパターンは非常に多いです。
別れ話がまとまったのなら、その後の彼の連絡には応じないことが絶対です。
ここは自分自身が強い意思を持ち、「もう何を言われてもあの人とは絶対関係を持たない」と決意することが大切になります。
モラハラ彼氏の復讐は、確かに怖いかもしれません。
そのせいで戻ってしまいたくなる心理もあるでしょう。
しかしそれでは、彼氏のモラハラから抜け出す根本的な解決にはなりません。
彼氏のモラハラを我慢することで自分の身を守るのではなく、彼氏からは離れて、もっと別の手段で身を守ることを考えていきましょう。
しばらくは一人にならないこと
モラハラ彼氏は、非常に未練がましい行動を取ります。
しつこく連絡してくる、家に来る、場合によっては職場にすらおしかけてくる…このような行動も決して珍しくありません。
一人でいるところに来られては、正直何をされるかわかりません。
しばらくは一人になることを避けましょう。
一人暮らしをしているのなら、いったん実家に戻る、友人宅に泊めてもらうなどの対策は必要です。
特に、夜道で一人になるのも非常に危険です。
しばらくはお金がかかるのを我慢して駅からはタクシーを使う、家族や友人の車で送ってもらう、などの対処も考えて良いくらいです。
身の危険を感じたら迷わず警察に相談すること
ストーカー行為や嫌がらせなど、別れたモラハラ彼氏の行動が見過ごせないレベルになってきたときは、こちらも最終手段に出るしかありません。
困っていることをすべて警察に相談しましょう。
その際は、彼氏がどんな嫌がらせやストーカー行為を行ってきたのか、証拠となるものを提出できるのが望ましいです。
その方が被害届も受理されやすいからです。
実際のところ最初の相談では、様子見というかたちで終わってしまう場合もあります。
最終手段とは言いましたが、自分の身を守るなら早い方が良いに決まっています。
少しでも身の危険を感じたら、警察への相談は早めにしておいた方が良いかもしれません。
モラハラ彼氏の事実をバラしたい場合
モラハラ彼氏は外面が良いので、共通の知人や友人は本性を知らないケースがほとんど。
しかし人一倍世間体を気にする性質を逆手にとり、モラハラの事実を公表していきましょう。
ただし、モラハラ彼氏の良い部分を長いこと見てきた友人達は、すぐに信じる可能性は低いです。
なので、暴力の証拠やLINEの履歴やボイスレコーダーなど証拠になる物を公開しましょう。
彼女一人が離れていくだけならばそれほど大きなダメージになりませんが、仲の良い友達まで離れれば、モラハラ彼氏だってさすがに後悔するでしょう。
モラハラ男性の味方を引き剥がして、社会的なダメージを与えることを目的にするのであればこれで十分でしょう。
しかし、くれぐれも「バラされるくらいなら道連れにする」といったような、最悪の事態にならないように注意してください。
モラハラ彼氏と今後一切関わらない道を選ぶならば、事実の公表は信頼できる味方を増やすためだけにとどめておくほうが良いかも知れません。
まとめ
モラハラ行為をする男性となんて付き合いたくはないものですが、彼氏のモラハラに悩まされている女性は、もちろんモラハラ彼氏と分かって付き合ったわけではありません。
付き合っているうちに彼氏の態度が変化していき、結果的にモラハラ彼氏に悩まされることになってしまった・・そんな状況に置かれる女性が大半なのです。
彼氏がモラハラだと分かった時は、強い意思を持って行動し、自分の幸せを一番に考えてください。
彼氏に依存することなく、早めに別れる決断をすることをおすすめします。